skymatix Developers Blog

株式会社スカイマティクスの開発チームによるDevelopers Blogです。

くみきで生成したオルソ・点群の精度評価

リモートセンシンググループマネージャの榎本です。

クラウド型ドローン測量・現地管理DXツール「くみき」では、そこにアップロードされたドローンなどの空撮画像をクラウドで三次元復元し、位置情報を追加することにより、地図上に点群、DSM(数値表層モデル)、オルソ画像を重ねて表示しています。我々はその三次元復元結果の品質向上に日々取り組んでいます。今回は位置精度の検証について書こうと思います。

空中写真測量(UAV)による測量について

空中写真測量(UAV)による出来形計測は、被計測対象の地形の空中写真を撮影し、写真測量 用のソフトウェアによる数値化を行い、3次元CADや同様のソフトウェアを用いて、出来形を面的に把握、出来形数量などを容易に算出することが可能となり、従来の施工管理手間の大幅な削減と、詳細な地形や出来形の形状取得が可能で、従来の巻尺・レベルによる幅・長さの計測や、高さの計測は不要となります。 空中写真測量(無人航空機)を用いた 出来形管理要領(土工編) (案)では、 必要な計測性能及び測定精度として以下を挙げています。

  • 計測性能:地上画素寸法が 1cm/画素以内(出来形計測の場合)
  • 測定精度:±5cm以内・・・別紙様式-2による精度確認試験を行うこと。

今回の検証には、以下の2機種のRTKドローンで撮影を実施しました。

  • DJI M3E
  • DJI P4RTK

高精度位置測位サービス 「VRS-RTK」でリアルタイムに位置測位しながらフィールドを 1cm/画素で撮影しました。撮影方法は、くみき標準の撮影方法を適用しました。直下視で全体を撮影し、斜め4枚撮影を追加しました。

上記のドローン撮影とは別に、検証点としてフィールドの外周と中央付近に設置した対空標識の座標を計測しました。

対空標識の座標を計測

くみきで生成したオルソ画像の中の対空標識の画像を、実測した各々の検証点と比較し、水平方向のRMSE誤差±5cm以内が確認できました。

RTK-GNSS 搭載型 UAVを用いた 空中写真測量における標定点数削減に関する検討(国土技術政策総合研究所 木村ら)によると、標定点を1点以上設置すれば垂直方向の精度を確保できるとされています。 くみきで生成した点群を1点の標定点で補正し、垂直方向のRMSE誤差±5cm以内が確認できました。

RTKドローン機種ごとの誤差

終わりに

株式会社スカイマティクスでは「くみき」の三次元復元エンジンを世界一にしたく、研究開発に取り組んでいます。今後も三次元復元に関する技術的記事を書いて行こうと思います。 これからも多様なドローン機種で検証を重ね、高品質なオルソ・点群生成を改良していきます。

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