skymatix Developers Blog

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自動化画像マッチング技術

リサーチャーの鄭です。特徴マッチングは、二枚以上の画像または写真のオーバーラップがある範囲に同じものを認識するための技術であり、画像処理および写真測量の分野において重要な課題となっています。特徴マッチングの任務は、パソコンとデジタルカメラが発明される前は主に人の目に頼って行われており、写真間の共通点を人間が認識することによって行われていました。しかしこの方法では効率的に行うことができず、画像処理にかかる時間や人的なコストが高くなり、特徴マッチングの正確性も確保できませんでした。デジタルの時代に入り、パソコンとデジタルカメラの普及が進んだことを受けて、画像処理における自動化特徴マッチングの技術に対して大きな期待が寄せられています。

空撮デジタル画像は通常、8ビットとして編成され、R-G-B(赤-緑-青)の3つのバンドの情報が記録されています。デジタル画像の各ピクセルには、更に8ビットから256個の輝度値(グレーレベル)に変換され、これら数値化された画像情報を基に、自動化特徴点マッチングの研究と技術が展開されています。NCC(正規化相互相関係数)という手法は、上記の数値化情報に基づいて、写真間の特徴点の輝度値を比較し、潜在的な共通点の類似度を推定します。しかし、これらの手法にはいくつかの制限があり、例として、画像のスケールや回転が変化する場合、NCCのようなアルゴリズムは実行できない可能性があげられます。

Loweが2004年に開発したSIFT(スケール不変特徴変換)は、近年の自動化特徴マッチングにおいて重要な進展と評価されており、SIFTはローカル特徴点と呼ばれるものを用いて特徴点マッチングを行います。以下にSIFTの三つの段階を示します。

  1. デジタル画像内の代表的な点(例えば、コーナー)を認識および抽出し、特徴点として扱う(図1参照)。

  2. 抽出された特徴点の特徴量を推定する。

  3. 二枚以上の画像において、各特徴点の特徴量を利用して特徴点の類似度を計算する(図2参照)。

SIFTはNCCと比較して、画像のスケールや回転に影響されず、汎用性も高くなっています。そのため、デジタル画像処理や写真測量の分野で広く使用され、さらに、SIFTをベースに改良された手法としては、SURF(高速強健特徴)、PCA-SIFTなどが開発されており、自動化特徴マッチングの効率と結果の精度をさらに向上させることが可能です。これらの画像マッチングの結果を踏まえ、本社が独自開発したSSM(Skymatix SfM MVS)の三次元再構築に関するデータ処理の展開が可能となります。

図1

 図2



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