skymatix Developers Blog

株式会社スカイマティクスの開発チームによるDevelopers Blogです。

高低差のある場所の三次元復元の改善

リモートセンシンググループマネージャの榎本です。

クラウド型ドローン測量・現地管理DXツール「くみき」では、そこにアップロードされたドローンなどの空撮画像をクラウドで三次元復元し、位置情報を追加することにより、地図上に点群、DSM(数値表層モデル)、オルソ画像を重ねて表示しています。我々はその三次元復元結果の品質向上に日々取り組んでいます。今回は高低差のある場所の三次元復元の改善について書こうと思います。

ドローン空撮の林業への活用

森林資源量の把握、所有者特定のための境界線調査、補助金申請・交付のための造林検査、災害時の倒木調査など、林業では多くの調査業務が実施されています。 これら業務は林業の維持・発展のために欠かせませんが、全て人力調査によって成立し、調査員が日々重労働で危険な現場を担っています。 当社のクラウド型ドローン測量サービス「くみき」 で、ドローンで撮影した画像から森林の地形データ を自動で生成することで、スマート林業を推進することができます。

高低差のある場所のオルソ・点群生成

林業を含め高低差のある場所では、生成したオルソ・点群が地形に沿わない場合があります。 弊社では様々なドローンで山間部の森林資源を撮影し、生成したオルソ・点群の品質向上に努めています。 今回の例では、3種類のドローンで同じ森林を撮影し、生成結果を比較しています。

  • DJI Phantom4 Pro
  • DJI Mavic2 Pro
  • Wingtra (固定翼ドローン:広域撮影に適している)

この3機種の撮影データを、以前のバージョンのくみきで生成した3D点群を挙げます。

DJI Phantom4 ProとWingtraの撮影データから生成した地形は、地理院DEMに沿っており、地形を適切に再現しています。 一方、DJI Mavic2 Proの撮影データからは、異なる傾斜の地形データを生成しました。

異なるドローン機種のデータから安定して適切な地形を再現できるよう、弊社のSfM/MVSエンジンを改良しました、 以下に、改良前後のDJI Mavic2 Proの生成データを挙げます。比較用に上記のDJI Phantom4 Proのデータも重ねてみました。

改良後ではDJI Mavic2 Proからも地理院DEMに沿った地形データを生成できるようになりました。

終わりに

株式会社スカイマティクスでは「くみき」の三次元復元エンジンを世界一にしたく、研究開発に取り組んでいます。今後も三次元復元に関する技術的記事を書いて行こうと思います。 これからも多様なドローン機種で検証を重ね、高品質なオルソ・点群生成を改良していきます。

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