AIリサーチャーの松野です。
「リモートセンシング × AI」を掲げるスカイマティクスでは、衛星画像・航空画像・ドローンオルソ画像といった GeoTiff 形式の画像データに対して、セマンティックセグメンテーションを行うことがあります。 セグメンテーションモデルの学習にあたっては教師データを整備する必要がありますが、ラベルデータも地理情報を持っていると便利です。 そこで、ラスタデータを QGIS 上で編集できるプラグイン Serval を紹介します。
インストール
QGIS を起動し、「プラグイン」→「プラグインの管理とインストール...」を選択してプラグインマネージャを開きます。
検索バーに「Serval」と入力し、ヒットしたプラグインを選択して「インストール」を選択します。
インストールが完了すると、QGIS のツールバーに2種類のツールバーが追加されました。
使用
ラスタの編集方法にはいくつかありますが、ここではよく使用すると思われる、ポリゴン選択による編集方法を紹介します。
編集したいラスタデータを QGIS で開いたら、「Select Raster Cells by Polygon」ボタンを選択します。
左クリックで選択したい範囲ポリゴンの頂点を選択し、右クリックでポリゴンを確定します。
レイヤパネル上で編集したいラスタレイヤを選択し、Serval によって追加されたツールバー内のテキストボックスに編集後の値を入力したうえで、「Apply Value(s) to Selection」ボタンを選択します。
これでラスタデータの編集ができました。
おわりに
使用にあたり気をつける点としては、以下のような点があります。
- 編集対象のラスタファイルが直接更新されるので、バックアップをとっておくと安全
- 元に戻せる回数はデフォルト設定では3回まで
- 編集範囲が広いと更新処理に時間がかかるので、ラスタ計算機のほうが高速
他にも、既存のベクタレイヤや、太さのある直線を選択範囲に使用する機能などがあります。興味のある方は調べてみてください。
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